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■SS 「綾崎ハヤテの消失」 第4話

さてさて、ハヤテ誕生日SS、第4話でございます。

全4話のこのお話、これでお話は終わりでございます。
後書きはまた今度書かせていただきますので、よろしくお願いします。
それではお楽しみください♪



ハヤテが王族の庭城へ来て、約半年の月日が流れた。
半年と言っても実際にそんなに時間が経っている訳ではない。
王族の庭城内では時間の流れが早く感じるため、半年の間過ごしていたような感覚になるだけで、実際は2週間程しか経っていない。
それはハヤテ自身が、幼少の頃体験していたのである。
「アーたん、朝食の準備が出来たよ」
ハヤテはアテネの寝室へ入って行く。
普通、女性の寝室にいきなり入るのは非常識だが、ハヤテはアテネ本人から許可を取っていた、と言うか、同じなのだ、ハヤテとアテネの寝室は。

2人は当時とほぼ同じ生活を送っていた。
毎朝目寝覚めの悪いアテネを“おはよう”のキスで起こし、2人で朝食を取る。
「ん…ハヤテ…おはよう」
「アーたん、いつまで経っても寝覚めが悪いままなんだね」
ハヤテがクスクスと笑いながらアテネを見つめる。
「な、わ、私は決して寝覚めが悪いわけでは…そう、ハヤテが悪いの!ハヤテがいつも朝になるとキスをしてくるから…」
自分からキスしろと言ったくせに、自分の悪い点を人のせいにする。
しかしハヤテも彼女の性格を分かっているからこそ、このようなやり取りも出来るのである。
朝食を取った後は、2人で特に何もする事は無く、ただのんびりと過ごす。
そののんびりとした時間が今の2人にはたまらなく幸せであった、今まで10年間辛い思いで引き離された2人には。
「ねぇハヤテ…あの時の事、覚えてる?10年前、私とハヤテがケンカした日」
「うん、もちろん覚えてるよ…あの時僕があの親たちを信じなければ、今までずっとこうして過ごせたのにね…」
「でも今はこうしてまた仲直り出来たんですから、あの時の事は無しでいいわね」
「そうだね、アーたん、僕は今度こそ君と一緒に…」
そう言ってまたキスをする。
ハヤテはナギの下へ帰る事を忘れていると言うより、童心に帰っているという方が正しかった。
「ハヤテったら、10年経って随分と大胆になりましたのね、こんなにキスをしてくるなんて…」
アテネは少しだけ頬を赤らめる。
「そう言うアーたんだって毎朝キスしてって言ってるよね」
「あれは仕方ありませんわ!朝はああでもしないと起きられないんですから…」
2人はまたキスをする。
10年前以上に、2人の愛は大きくなっているのだった。

「あ、そうだ。アーたん、久しぶりに鏡を見に行ってもいいかな?えっと…「天球の鏡」だっけ?」
天球の鏡…それは庭城外の映像を見る事が出来る魔法の鏡である。
その昔、ハヤテはその鏡でとある少女を見てアテネを怒らせたそうな。
「えぇ、別に構いませんわ、でもあれは少しの間しか見る事は出来ないので、そんなに面白くはないと思うけど…」
「大丈夫、ちょっと忘れてた事があるから、もしかしたら鏡に映るかも知れないと思って!」
そう言ってハヤテは鏡のある広間へと走っていった。
(僕は…どこかへ帰らないといけなかったような気がする…)記憶から無くされていても、本能は覚えていた、帰るべき場所があると言う事を。
ハヤテはそれを記憶に取り戻すために鏡の元へ走った。

「ふぅ、結構距離があったな…えっと、確かここを覗くと見えるんだっけ…」
ぼうっと鏡から影が映ってきた。
そしてその影は次第に少女の形となり、1人の少女、三千院ナギの映像となって鏡に映った。
「あれ?この娘は…――ッ!!」
ヒナギクと同様、ハヤテも激しい頭痛に襲われた。
その痛みと同時に、ありとあらゆる内容が脳に直接流れ込んでくる。
いつも自分の側にいるのが当たり前と思っていたその少女、だからこそ今まで思い出せなかったのだと悔やむ自分。
「―――ナギ…お嬢様…!」
その瞬間、全てを思い出した。
ヒナギクたちと学校で喋っていた事、ヒナギクが用事で出て行ったこと、自分は夕食の準備をするために早く帰ったこと、そしてアテネと出会って気を失い、気付くとここにいた事。
「そうか、僕は彼女にここまで連れてこられて…お嬢様が心配している、早く帰らないと!」
「…全て思い出したのね、ハヤテ…」
全ての記憶を取り戻したハヤテの背後に、アテネは立っていた。
「アーたん…!!」
その時のアテネは、ハヤテでさえどのような感情であったか読み取れなかった。


「…ナギ?今何と言いましたか?」
「だから!買い物に行くのだ、腕時計を買いに!」
ナギの突然の言葉に、マリアは呆然とする。
「えっと…まずなぜ腕時計を買うのか説明が欲しいのですが…」
「マリアよ、お前は忘れたのか?明日は11月11日、ハヤテの誕生日ではないか!」
そう、この日は11月10日、一応桂先生の誕生日である。
ナギはこの日のために、ハヤテがいない間もずっとバイトを頑張っていたのだ。
「そういえばそうでしたわ…でもナギ、ハヤテ君が明日帰ってくると言う保障はどこにも…」
そうである、肝心のハヤテは今ここにいない。
そしていつ帰ってくるかも分からない状態なのだ。
「確かにそうだが…何となく、何となく帰ってくる気がするんだ、明日辺りに。
だからパーティの準備くらいはしていても大丈夫だろう?」
「ま、まぁ根拠がよく分かりませんが、確かにハヤテ君のお誕生日のお祝いの準備はしておいた方が良いですわね、明日帰ってきて何も無しではあまりにも可哀想ですし…」
「な、そうだろ?だったら早く行こう、ハヤテの誕生日プレゼントを買いに!…と、そうだマリア、伊澄や咲夜、ヒナギクや…ついでにハムスターもだ、とにかくみんなパーティに呼ぶのだぞ、世界一盛大なパーティにしよう!」
そしてナギとマリアはハヤテの誕生日プレゼントを買いに出かけた。


「…アーたん…うん、僕はもう全部思い出したよ、だからナギお嬢様のいる場所へ戻らなきゃ…」
今まで本当に楽しかった、その分別れの時が辛く、悲しいものになるのだ。
「ハヤテ……ごめんなさい、無理にあなたをここへ連れて来るような真似をして…」
アテネはとても申し訳無さそうな表情を浮かべる。
「僕は別に構わなかったよ、でも…どうしてこんな事を?僕と一緒にいたかったのならそう言ってくれれば良かったのに…」
「ハヤテ、今あなたには大切な人がいるでしょう?だから…言ってもダメだと思って…」
アテネは目に涙を浮かべながら話す。
「ハヤテ…その…ぐっ!!」
突然アテネは頭を押さえた、どうやらあの力が発動したようだ。
「どうしたの、アーたん、大丈夫!?」
「来るな!」
ドンッ
心配して近くに来たハヤテを突き飛ばした。
「ハヤテ、今すぐ逃げなさい…じゃないとまた私はハヤテを殺そうとしてしまう…」
「アーたん…ごめん、何も出来なくて…それじゃあまたいつか…っと、そうだ、
お礼を言い忘れてたよ…ありがとう、とっても楽しかったよ」
そう言ってキスをして、ハヤテはアテネの前から立ち去ろうとした。
「ハヤテ!一つ言い忘れていた事がありましたわ!」
「…?」
「今日は11月11日、あなたの誕生日よ、おめでとう、そして…ありがとう」
「…ありがとう、アーたん」
そしつハヤテは本当にアテネの前から立ち去った。

ハヤテがいなくなってから、アテネは1人つぶやいた。
「ハヤテ…一度だけ…あなたを騙してしまったわ…でも、この別れ方の方が良かったでしょう?前みたいにケンカしたまま別れるよりは…」
今のアテネは霊に取り憑かれてなどいなかった。
取り憑かれたふりをしてハヤテと別れたのだ、ナギの下へ帰すために。


ドサッ
「痛…」
ハヤテが白皇の一角から現れた、どうやら元の世界へ帰れたようである。
「ふぅ…この景色も久しぶりだな…お嬢様、まさか僕の事を忘れてなんかいないよな…」
そして、多少の不安を抱えて、三千院家に戻ったのだった。
恐る恐る屋敷のドアを開ける。
時間は分からなかったが、夜なのは確実だ、もちろん屋敷の中は真っ暗である。
(やっぱりみんな寝てるよな…今日は公園辺りで寝て、明日の朝にでも――)
そんな事を思っていた最中、突然明かりが点いた。

「ハヤテ、一体いつまで外をほっつき歩くつもりだ?」
聞き慣れた声がした、自分の主の声だった。
「ナギ…お嬢様…」
「そうだ、ナギお嬢様だ。全く…今日はお前の誕生日だからと言ってパーティの準備をして待っていたのだぞ?さあ、他のやつらも来ている、早く広間に行こう!」
ナギは長期間いなくなっていた事などは全く気にかけなかった、まるでちょっと帰るのが遅くなっただけのようである。

「何をしている、早く付いて来い!」
「……はい、ナギお嬢様!」

2005年 11月11日 午後8時 綾崎ハヤテ、帰還

‐Fin‐


さて、いかがでしたか?
私なりには頑張って書いたので納得の作品なのですが…。
皆様のご意見をお待ちしておりますので、ぜひお願いします。

それでは失礼します。

■コメント

■Re: SS 「綾崎ハヤテの消失」 第4話 [バースロイル]

アテネの切ない想いが伝わり、良い作品だと思います。次回作があれば読みたいですね。

私も「小説家になろう」で、ハヤヒナ長編を連載しています。興味があればどぞ。

ロイヤル・ガーデンの食料はどうやって調達しているのでしょうw。気になります。いずれBSで説明が欲しいですね。


タイトル「Lrgend of Galaxic Hinagiku」です。

■Re: SS 「綾崎ハヤテの消失」 第4話 [とろんべ]

>>バースロイルさん
はじめまして、とろんべと申します。
ありがとうございます、次回作は今の所予定しておりませんが、機会があればやってみたいです。

そちらでSSを公開していましたか、私は別のサイト様に投稿しているので分かりませんでした・・・。

食料は・・・神様が出してくれるんですよ、きっとw
一応あそこは神様の住む城なのでw

了解しました、一度読ませていただきますね^^
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